ネタ

2010/07/10

妄想化学マガジン

蜘蛛の糸で地獄から脱出!?カンダタの恐るべきど根性

中学生のころ、国語の授業で芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を勉強したことがある。
主人公が蜘蛛の糸を上って地獄からの脱出を試みるが、ほかの人まで登ってきて
しまい、最後には蜘蛛の糸が切れてしまうというお話である。
このとき先生に「なぜ蜘蛛の糸は切れてしまったのでしょう?」という質問を
されたので、自信満々に「人がいっぱい登ってきたため重みで切れた」と答えた
ところ、先生が一言「あなたは何も分かっていない」
な、なんだと!科学的見解に基づいたもっともらしい理論なのに!
若かりしころの無念を晴らすべく、今ここに科学のメスを入れる。

<大丈夫なのか?このお釈迦様>
とは意気込んでみたものの、はて蜘蛛の糸ってどんな話だったっけ?
簡単におさらいしてみよう。
まず、主人公はカンダタという男で、生前は人を殺したり家に火をつけたり
など、さまざまな悪事を働いた大泥棒だそうな。そんなカンダタは地獄に落ちた
わけだが、お釈迦様はこのカンダタを蜘蛛の糸で助けてあげようと考えた。
その理由が「蜘蛛を踏み殺そうとしたが、かわいそうだと思って助けたから」
え?そんな理由!?。人とか殺してるのに!?
私も蜘蛛を見つけたら逃がしてやるようにします。
そんなことより重要なのはこの後。蜘蛛の糸を見つけたカンダタは糸をしっかり
握り締め登り始めるが、しばらく登った後下を見てみると、他の罪人たちが一列に
登ってきていた。これでは糸が切れてしまうと思ったカンダタは「下りろ下りろ」
と喚くが、その瞬間糸はプツリと切れてしまった。
なるほど、何か深い意味がありそうな気もしないでもないが、そんなことより蜘蛛の糸
が切れるということは、どのくらいの荷重が加わったのであろうか。それ以前に
蜘蛛の糸なんてすぐ切れそうな気がするのだが・・・。

<糸の長さは富士山以上!?>
とりあえず糸の太さを決めなくてはならない。作品の中でははっきり「糸」と明記され
ているが、直径1mmや2mmの糸を人間が登れるとはとうてい思えない。あくまでも独断と
偏見なのだが、せめて直径3cmはないときついのではないか。次に蜘蛛の糸の強度である。
蜘蛛の糸はすぐ切れそうなイメージがあるが、あれは糸がきわめて細いから。
調べてみると強度自体は1muあたり200kgもある。
となるとこの糸は約141tもの力に耐えられるということになる。地獄の罪人たちの平均体重が
少しやせ気味の50kgだと仮定すると、糸にしがみついた数は2828人!
この罪人たちが一列になりながら登ってきたと書いてあるため、仮に1.5mに1人くらいの間隔で
ぶら下がっていたとすれば、カンダタから地面までは約4241m!!
日本一の富士山よりも高い!
これほどの距離を体ひとつで登りきったカンダタの体力も凄まじいものである。
時代が時代ならオリンピックなどで活躍できただろうに、もったいない。非常にもったいない。


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